世界の果てでダンドゥット

ダンドゥットは今、現在が一番おもしろいぞ!

ダンドゥット まずこれを聴け! MAHA LAJU MUSIK

ダンドゥットを聴いてみたい人に勧めるなら、打ち込みビートに載せて踊るイケイケのスカートが短い歌手のビデオを山ほど見ろ! と言いたい気もするが、そういうディープなものを許容できる方は、他人のアドバイスなど不要でしょう。

最近のアップロード群では、抜群の音質と演奏のこのグループ(?)プロダクションのプレイリストをオススメ。

BUIH JADI PERMADANI - VIVI ARTIKA (OFFICIAL LIVE MAHA LAJU MUSIK)
307,169 views  Premiered on 5 Jan 2022

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固定メンバーなのか、これらの演奏自体が内職なのか、そのへんの事情は不明。

ただ、このメンバー、2021年の最大のヒット・メーカー、ソングライターでもある男性歌手Danny Caknan のビデオに参加している。再生回数は1000万単位だ!新進のミュージシャンと共演のプレイリスト。

DENNY CAKNAN FT. NDARBOY GENK - MENDUNG TANPO UDAN (OFFICIAL LIVE MUSIC) - DC MUSIK - YouTube

再生回数1億超えの以下のアレンジも、

Denny Caknan X Happy Asmara - SATRU (Official Music Video) - YouTube

以上のビデオは検索でも上位にくる、文句なしの2021年ヒット。

ありがたいことに、メンバーその他のデータがしっかり載っている。

Kendang-Reza Dory; 椅子に腰かけて叩く太鼓のセット。電子パッド(音色が変えられる電子パーカッション)も使っている。ボーカルも。

 jaipong-Andhit Thitid; 床に座って叩く大型の太鼓。

 Drumer-Hendra; スネア・バスドラ・シンバルなどのセットです。いや、みんな知ってるか。

以上太鼓隊が三人だけど、全員参加する部分は少なく、すき間の多い、厚みのないサウンドを作っている。小さいバンドだと一人二役が普通で、キーボードが電子パッドも担当したりするけれど、かなり贅沢な人員配置なのだ。笛(スリンとピッコロ)やギター担当もテクニシャンだ。

そしてなにより、独自のアレンジをしていて、ジャワ歌謡本流、コプロ風の掛け声、クロンチョン・ハワイアン風、スカ・ビートなど、サウンドに変化をつけられるバンドだ。歌手とのリハーサルもちゃんとやっていると思われる。曲の途中でテンポを変えたり、リズムを変えるのもわざとらしくなく、自然なノリだ。

  Kyboard-Bayu Onyonk; こいつがリーダーか?

 ミキシングも担当。かわいい歌手といっしょに気持ちよさそうに歌も歌う。シンセサイザー担当だが、曲のはじめから終わりまでずーっと鳴り響くサウンドではなく、かなり控えめな使い方だ。これは、ライブ中心のバンドと大きく異る。

 Gitar-Soepardi Aye; この1曲目ではアクースティックだが、電気も。歌も歌う。

 Bass-Edug; 電気ベース

 Suling-Prabaya Adji; 竹笛のスリンのほか、ピッコロのような笛も

 Kentrung-Deoo; ウクレレ

 icik-icik-Donet; ほかのバンドと同じだが、なんのためにいるのか判らないのがタンバリン。別にリズムをキープしているとは見えないのだが。ライブでは、演奏を盛り上げる役目であるようだが。 

歌手陣も顔がかわいいのばかり選んでるんじゃねえか?と思いたくなる陣容。全国規模では二線クラスでも、これだけの人材が狭い地域からどんどん出てくるという土壌の厚みを感じる。歌は、最初のBui Jadi Perdamani がマレーシアのロックバンドの曲という、変わり種だが、他は大部分ジャワ語のヒット曲。つまり、インドネシア語ではなく、ジャワ文化圏の言語で、歌手もほとんど東ジャワ州出身。いや、出身というか、生まれたところに住んでいると思う。

若い歌手たちみんなかわいいけれど、つくづくVivi Artikaさんて顔がきれいな人だなあと、ため息が出る。上のプレイリストで選べるはずだが、あえて貼りなおすと、

TRESNO WARANGGONO - VIVI ARTIKA Ft REZA DORY (OFFICIAL MAHA LAJU MUSIK)
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しみじみいい歌だ。ほかの歌手のバージョンと比べても、これが群を抜いている。

録画の日時不明だけれど、この時Viviさんは出産の1~2ヶ月前。お腹が大きい時のお仕事なのです。それで、歌の歌詞が「ああ、わたしは他の人のもとへ嫁がなくてなりません。ここでお別れです」と切々と歌うのですね。さらに、演奏メンバーが、コプロ・バンド定番の「ハエ、ハエ、ハエ、ヨヨヨヨ、」「スラック、スラック、チョー!」と、卑猥な掛け声で盛り上げるわけ。ま、つまり出産への応援歌みたいになっているんだよね。