世界の果てでダンドゥット

ダンドゥットは今、現在が一番おもしろいぞ!

Pecah Seribu; 迷って悩んだが、エルフィ・スカエシの歌を取り上げる

Tik Tok 経由でバズっているようで、完全に無視しようかとも思ったが、記事を書く。

以下の画像は、Esa Ristyちゃんのビデオの横にでてきたレコメンド。なお、わたしはブラウザはChrome、設定言語は英語にして、クッキーを消してから見ている。

f:id:hap-pya-ku-bikini:20220316131347p:plain

2022-3-16キャプチャ

ごらんのとおり、ここ1週間で大物のビデオが出まくっている。

元歌はElvy Sukaesih。エルフィ・スカエシとカタカナで検索すると、ウィキペディアはじめ多数のサイトがヒットする。日本ではダンドゥットを代表する歌手と記述されることが多い。いや、多いどころじゃない、この人しかダンドゥット歌手を知らない、他は聞かない興味ない人が大勢いる。そういう方々に

f:id:hap-pya-ku-bikini:20220316132345p:plain

1980年代、日本がバブル経済に浮かれていた頃、英語圏以外のポップ・ミュージックが続々と紹介され、ワールド・ミュージックと呼ばれるジャンルを形成した。そんな中、インドネシアのダンドゥットも、それまでUSAのブルースやR&Bや、キューバやプエリトリコのラテン音楽を聞いていた人たちや、ブラジルの大都市の音楽を愛好していた人たちの一部の関心を捉えた。そして、このエルフィ・スカエシは、ダンドゥットの代表的な歌手とされ、来日公演まで行われた。

しかしね、インドネシアに限らず、世界各地でローカルに楽しまれている音楽・歌なんてものは、話題にするほどの変化や新機軸はないのが普通で、日本の歌謡曲のように、(あるいは、今再評価?されているシティ・ポップのように)楽しむほかないのだ。つまり、歌がいいとか、歌手のおっぱいとふとももがいいとか、顔がいいとかかわいいとか、たわいない楽しみを無視すると、興味が続かないのだ。結局、ダンドゥットもごくごく一部の人がひっそり楽しむだけで、大半の音楽ファン・音楽マニア・ミュージシャンの興味の圏外になってしまった。

そんななか、過去の評価が動かないエルフィ・スカエシだけは、ネット上の情報でもダンドゥットを代表する歌手に落ち着いてしまったのである。90年代も00年代も2010年代もなく、70年代の音源のごく一部だけがCDになったりした。あ、日本制作アルバムもありました。インドネシアの音楽祭で今でも名誉賞的なものを受賞するのは、日本で評価されたからだと思う。情けないことだが、インドネシア人も先進国の評価を気にする人たちなんだなあ。

Pecah Seribuの歌に話をもどそう。

ソングライターはToto Ario。多くの作品があるようだが、経歴不明。

Discogs.comのデータによれば、2002年発売のカセットが初出らしい。

Elvy Sukaesih – Mimpi Terindah
Label:    SKI Records (4) – SKI-1300

なお、アルバム・タイトルの曲が作曲者のチャネルからアップロードされている。

https://www.youtube.com/watch?v=6T3EHemeXwY わりといい歌じゃないか!

ただ、今現在Youtube上でヒットするのは以下のビデオ。撮影・発表年月不明。アップロード時期の2020年だろうか? それに音源が元のものか、再録音か不明。

アップロード元はジャカルタのレコード会社 Le Moesiek Revole

Elvy Sukaesih - Pecah Seribu (Official Music Video)
3,175,968 views  12 Mar 2020

www.youtube.com

では、項をあらためて、カバー物を紹介していく。