スイスのベルン拠点とするレゲエ・バンドが、ドレッドヘア・ファッションで演奏していたら、〈文化の盗用〉という批判を浴びた。詳細は以下の日本語の記事で。
ドレッドヘアのスイス人レゲエバンドは「文化の盗用」? - SWI swissinfo.ch
うーむ。よく言われることですね。これはスイスというヨーロッパの先進国・高所得国だから議論が起きることわけで、では、アジアの低開発国・中進国のバンドが同じようなことをしたら、やはり批判されるのだろうか?
以下はインドネシアの代表的レゲエ・バンド、Tony Q Rastafara のライブ映像。中部ジャワ州スマランを本拠地にして、1989年から活動しているそうだ。
Tony Q Rastafara - Republik Sulap (Official Music Video)
5,062,072 views16 Mar 2009
文化の盗用うんぬん以前に、単なるパクリじゃねえかってツッコミが来そう。わたしは、こういう歌い方が好きじゃないし、サウンドもしょぼいので、このブログで特に紹介の必要もないと思っていた。
最近のライブ、リードシンガーの髪が短くなっています。歳食って、あの髪型じゃあ浮浪者みたいだからなあ。最近のダンドゥットのライブ・ビデオを見慣れた目で見ると、観衆が男ばっかりで、しかも異常におとなしいのがちょっと不気味ですね。
Tony Q Rastafara - Republik Sulap | Sounds From The Corner Live #34
4,111,228 views2 Apr 2020
この歌、 Republik Sulap 魔法の共和国、インドネシアの政情を皮肉った歌であるが、ダンドゥットのライブでもよくカバーされている。
Eny Sagita - Republik Sulap | Dangdut [OFFICIAL]
152,240 views13 Jun 2017
こっちのほうが楽しそうでしょう? ま、Eny Sagita嬢のライブとしては、せいぜい標準というできですが。
ポピュラー・ミュージックというのは、他文化からの影響・まねっこ・盗用・改変で成り立っているものだから、それを無くしたら、世界中のポップ・ミュージックは死滅すると思うんだけど。
むしろ豊かな音楽文化を持つジャマイカ人は、多少の歪曲・盗用など意に介さないと思うけどね。「我らの文化が金融で食っているヨーロッパの山国の住民に盗まれた!」と怒る人いるかなあ。文化的に貧しい国は、どんどんかっぱらってくれ!ぐらい言いそうだけど。
下はロンボク島から。結婚式の行列らしい。地域に生きるレゲエ・バンドという感じですね。(道を塞がれた人たちは迷惑そうだけど)これぞインドネシア流サウンド・システムだ。
REPUBLIK SULAP - NIA DIRGHA(ヒジャブ被った歌手の名前、かなり歌える人だ) IRAMA DOPANG バンド名
51,164 viewsPremiered on 11 Mar 2022
ABS TV Lombok - YouTube より。面白いビデオたくさんあるよ!
スイスにレゲエ・バンドがあったのか! と驚いた方のため、スイス産スカ・インストをどうぞ。日本のテレビコマーシャルに使えそうな上品な演奏。 Cosmic Shufflingというグループ。いやあ、ダンドゥットのサックス・プレイヤーもこんな音色出して欲しいなあ!ポール・デズモンドのパクリでもいいじゃないか。
Short Break ℗ Fruits Records Released on: 2020-10-16