「くそ~、俺はロック・バンドでガンガン弾きたいんだぜえ。こんな下手の歌手の伴奏なんて、かったるくて演ってらんねえぜえ」というツブヤキが、昔のバンドマンから聞こえていた。日本の下積みミュージシャンの嘆きらしかった。
ロック・スターをめざす連中ばかりでなく、ジャズ畑のミュージシャンやクラシックを学んだミュージシャンの間でも、不満がくすぶっていた。というのが、どこまで事実かどうか判らんけど。現在、もはや生バンドの居場所はなく、EDMやプレ・レコーディングのバックが大勢を占めているらしい。
じゃあ、インドネシアの状況はどうか、一例を見てみよう。
野外ライブをそのままストリーミング公開したもの。ドローン撮影もあって、周囲の風景がわかる。
Live!🛑1 DEKADE CBPTC BERCB BERWISATA -主催団体
RADHITA DJANDHUT -バンド名
2024年9月15日 撮影日
SR AUDIO オーディオ会社
UYAH MOTO PIDIO - YouTubeより、ビデオ制作会社
13,320 views Streamed live on 15 Sept 2024
ライブの場所はPantai Pelang, Panggul, Trenggalek
サウンドチェックのインストから、なんとなくライブが始まる。前半はレゲエ風バンド、いや本人たちにとっては本流のレゲエ・バンドでしょう。
観客がまだ集まっていない時、13:50~ヒジャブ被った歌手が歌いはじめるけど曲目判らん。以下男女MCによる長いしゃべりをはさんでインドネシア産レゲエ曲。
31:40~のレゲエ曲はCozy Republic のHitam Putih
37:00~は、Bill & BrodのSingkong Dan Keju ダンドゥット歌手に多くカバーされる曲。
46:40~、男性歌手の歌は、Shaggydog - Di Sayidan、レゲエ/スカのスタンダードでダンドゥット歌手によるカバーも多い。その後、偉い人のお話があり、
1:02:20~、ダンドゥットの2024年ヒット曲Kalah、やはりレゲエ/スカのリズムで、そのあとLDRなど最近のヒット曲。
1:24:00~、男性歌手の歌はSteven & CoconuttreezのLagu Santai 、女性歌手も加わってShaggydogのAmblikan Gelas、そのあと、ダラダラ続く
1:52:20~Tony Q RastafaraのDon't Worry、ダンドゥット歌手にも大勢カバーされているスタンダード曲。
2:00:00~、別の女性歌手が二人登場、やはりヒジャブ被った歌手でIwan FalsのKemesraan 、このあとしばらく休息らしい。音声途切れる。
この種のイベントがなければ、とてもプロとして稼げないバンドに見える。観衆も次のダンドゥットがめあてであるようで、盛り上がらない。
世界的に生バンドの活動が困難になり、有名なバンドでさえ「俺達はTシャツを売るのが本業だ」と開き直る状況。そんな中、こんな具合に音楽で食っていけるとすれば、良い環境と言えば言える。ほんとに音楽活動だけで食っているかどうか疑問だけど。
ともかく、ダンドゥットのおかげで、生バンドのミュージシャンの生活が成り立っているようだ。
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2:25:00あたりからインストが始まる。バンドが代わって、クンダンやスリンが入ったバンド。前座から本番になったわけか?男女二人のMCは変わらず。ステージ周りの観客が増える。
2:39:20~、やっと女性歌手4名登場、1名以外名前不明。
2:49:00~Ilfi Bnという歌手、最近のダンドゥット・ヒット、以下ダンドゥット・ナンバーが続く。
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3:44:00、やっとAjeng Febriaが到着した
出番の時だけ駆けつけるゲスト歌手扱いであるようだ。リアルタイム・チャットでもAjengを待つ声ばかり。Ajengの出番は4:33:10で終わり、さっさと引っ込む。観衆も帰る連中が多い。まだイベントは終わりじゃないのに…。

なお、Ajeng Febriaだけ見たい方には、バンドのオフィシャルからまとめた物が出ていた。
RADHITA MUSIC AJENG FEBRIA LIVE PANTAI PELANG || 1 DEKADE CBPTC CB MANIA ||22,289 views 18 Sept 2024 New RADHITA Depok Panggul - YouTubeより