今年になって大きな話題になっている、イベントor馬鹿騒ぎor地域文化or金儲けの話。シンガポール拠点のCNAニュースで詳しく英語で解説されていた。東ジャワ州マラン県での取材記事だ。なぜマラン県を選んだのか理由は不明なんだけど。
Horeg、ジャワ語圏の発音では、ハラグだが語末の/g/はほとんど聞こえないので、〈ハラ〉と聞こえる。ジャワ語でヴァイブ/振動という意味。
トラックにスピーカーを積み上げて、爆音をとどろかせるサウンド・システムで、村祭やパレード、イベントに雇われる。120デシベルを超える音量で近所迷惑、地域のイスラム指導者たちが、ハラム(=イスラムの教義に反する行為)と指定すべきという論議をよんでいる。
このサウンド・システムを雇うのも、迷惑しているのも、小さい田舎町や農村の住民で、一部の若者の不良行為ではなく、共同体の中のトラブルであるようだ。Sound Horegは地域の経済を活性化するクリエイティブ・エコノミーであり、地域文化を育てる要素でもある、という意見もある。次の英語記事も参照Indonesia’s Sound Horeg Economy: Freedom of Expression Versus Public Health and Order | FULCRUM

(Photo: CNA/Wisnu Agung Prasetyo)
1990年代から小規模のサウンド・システムはあったが、21世紀にはいると、どんどん規模が大きくなり、現在のような大型トラックに山のようにスピーカーを積み上げるスタイルになった。
この記事で事業者にもインタビューしているが、各村々の間で対抗心がつのり、大音量を競う形になってきたようだ。事業主側としては、別にそれほど大音量にする必要は感じないけれど、スポンサーからの要請で音量がエスカレートしてきた。
電源はディーゼル発電機で、一般家庭10軒分の電力を消費する。1台のトラックの料金は2500万~3500万ルピア、日本円にして、25万円~35万円。ずいぶん無駄な金額に思えるけど。
CNAの記事でインタビューされた経営者の別のインタビュー(英語に吹き替え)
INSPIRATION CORNER - Brewog Audio Blitar, the King of Horeg Sound in East Java
次の映像は実際のパレードの様子がよく分かるが、音声はYoutube用にミキシングしているので、実際の音量・音質はわからない。曲目はだいたいダンドゥットのヒット曲をリミックスしたもの。これだけ聴くと、哀愁をおびた、ゆったりしたリズムの曲なんですけど。
曲目は2025-07-27の記事で紹介したNan Ko Paham。MasBre Channel - YouTubeより、同じようなビデオが多数あり
ええと、わたし自身の好みからいうと、生バンド・生歌手のほうが好きです。もともと低予算・少人数のサウンド・システムが大規模化した事情は興味ありますが。そのうちユネスコ無形文化遺産に申請なんて事態になるか??
****
さて、一番関係があるダンドゥット歌手からの反応は?世間のうるせえ良識派の神経を逆撫でするマラちゃん、「サウンド・ハラグは大好きよ」。曲自体は、あんまり面白くないね、すまん。
AKU SUKA NONTON SOUND HOREG - MALA AGATHA | OM NIRWANA COMEBACK 282,507 views Premiered on 11 Sept 2025
Shinta Gisulバージョン、Desi Afrikaと
Aku Suka Nonton Sound Horeg - Shinta Gisul Ft. Desi Afrika
682,727 views Premiered on 11 Sept 2025