まずは1曲聴いてくれ、Tasya Rosmala出張出演。これだけ見ると、東ジャワ~中部ジャワのどこででも演られているイベントと区別がつかないでしょうが。
BISIK BISIK TETANGGA - TASYA ROSMALA | Mardatila Group 222,384 views 25 Aug 2025 (曲のオリジナルは1996年(?)のElvy Sukaesihで、ビデオ制作は最近でしょう)
バンドはOfficial Mardatila Group - YouTube、2023年からYoutubeチャンネル開設で、現在バリバリに活動中である。
わざわざ取り上げようと思ったのは、このバンドの活動地域がグレーター・ジャカルタJabodetabek ( Jakarta–Bogor–Depok–Tangerang–Bekasi)という工業地帯・振興住宅地域であるからだ。ジャカルタの周辺は海外資本の誘致工場が多く、大規模ショッピング・センターがあちこちにあり、最低賃金はジャカルタより高い地域である。
そんな発展する地域に、なぜこんな古臭い、懐古趣味のバンドの観衆がいるのだ?

サウンド監修(アレンジ?)は didirhytemsoneta - YouTubeという人で、Sonetaグループのミュージシャン。Rhoma Iramaという怖い重鎮のバックをつとめるバンドがSonetaグループである。Rhoma Iramaという男は、下品なダンドゥットを排除し、国民文化として清く正しい音楽を推進する業界のボスである。
ライブのレパートリーもRhoma Irama含め、1990年代以前の古い曲が中心だ。さんざんケチをつけてやろうと、いくつか見てみた。
SENGAJA - ELLY LOLITA | Mardatila Group オリジナルは1970年代のRhoma Irama
837 views 13 Oct 2025
AIR BUNGA - SALWA ARDITA | Mardatila Group オリジナルはRita Sugiarto1990年?
6,023 views 23 Aug 2025
で、数個見た感想を言うと、こんなのもアリかな、って感じだ。東ジャワのコプロ・バンドも同じように1990年代の懐メロを演っているし、歌手の歌い方や仕草もたいして変わらないのだよね。ただし、観衆のノリ具合はおとなしい。
長いライブ物を飛ばし飛ばし見たかぎりでは、最近のジャワ語ヒットはまったく見つからない。ジャカルタ発の最近のヒットも無し。こんな懐メロばかり聴きたがる観衆がいるとは思えないのだけど。
グレーター・ジャカルタJabodetabekに生まれて、ふだんはポップ・インドネシアやEDMを聴いている若い連中が、たまたまこんなイベントを見たら、「ダンドゥットって年寄しか聞かない古臭いジャンル」と思うのも無理はないかなあ。