世界の果てでダンドゥット

ダンドゥットは今、現在が一番おもしろいぞ!

Punk Rock Jalanan; ほんとに起源不明か?

前項に続いて、2009年頃、子どもたちの間で歌われて広まったという噂がある曲について。ダンドゥット・コプロのビデオが検索できた。

2009年9月27日に撮影のビデオより。歌手名のスペルが違うけれど、確かに17歳のVia Vallen さんですね。赤っぽいミニスカにスニーカーと黒いハイソックスというお姿であります。もう一人の歌手は知らん。すまん。

Punk Rock Jalanan - Via Vallent & Dian Nirmala - Sera Live in Godo Winong Pati 2009

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次、2009年8月10日撮影のビデオより。バンドはRGSという中堅バンドで、歌手はMaya Sari という人。つい最近まで活動していたはず。まだ現役かもしれない。

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すでに2009年8月でこんなライブがあったんだから、前項で聴いたウクレレ弾いて歌う子どもたちも、これらのライブから歌を覚えたはずだ。だから、子どもたちの間で自然に広まったという、牧歌的で美しい話は嘘だ。ただ、スタジオ録音が見つからないのだ。最初からコプロ・バンドのライブから広まったのか?

こういうのって、メジャーレコード会社から出たメロディーも歌詞もそっくりのがあって、調査終了ってことになれば、この記事もとんだ恥さらしになってしまうなあ。でも、ちょっと見つけられない。

有力な説としては、以下のバンドが元歌だという情報。

Mahkota Jaya Abadi(バンド名) - Kasih Tak Sampai (タイトル)

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このバンドの情報としては、以下のブログから。

opongunu.blogspot.com

このブログの記事によれば、2002から2003年に東ジャワ州のシドアルジョ(Sidoarjo スラバヤに隣接する県、前項のLala Widyも同郷)で結成されたバンドで、Pank Rock Jalanan は、このバンドの上の曲がオリジナルだという。そして、バンドのメンバーもダンドゥット版になって流行っていたということを知っていたそうだ。

うーむ。確かにメロディーかなり似てるし(もっともダンドゥットって、似たような曲がいっぱいあるが)、歌詞も、わたしが聞き取れた範囲では同じ部分が多い。

このブログ記事の信頼性は判らんが、まったくのガセ記事、つまりもともとダンドゥット版がオリジナルで、このバンドのほうがパクったという可能性はまず無いね。パンクの歌としての完成度が高いし、ダンドゥットからこっちに変換するのは、無理とは言わないが、そうとうなテクニックが要るだろう。

しかし、この元歌から、ダンドゥット・バージョンを作ったのは誰か、いつ頃か、って謎は解決できなかった。一番上に貼ったOM SERA のバージョンなんか、パンクロックのリズム感を多少継承しているように聞こえるけど……。

あと、タイトルの"Punk Rock Jalanan" って元歌には無いから、誰かが創作したはずだ。

最後に、このメロディーとコード進行、どこにでもありそうだけど、わたしが連想したのは、以下。

Georgy Girl · The Seekers
℗ 1966 Parlophone Records Ltd, a Warner Music Group Company

時間をかけて検索すれば、2010年代のコプロ録画がたくさんヒットする。以下は2010年1月の記録でPantura のかわいい歌手Ririn (Kecil)ちゃん。ケンカが始まって警官ともみ合うシーンを挟んで楽しく歌う。

pantura punk rock jalanan .ririn

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2008年のコピーライトの記載がある(あまり信頼できない)この歌手の歌い方はわたしの好みだ。YoutubeにオフィシャルがあるMelany Anggoraと同一人物であるようだ。

Purnama Records - YouTubeより

Title :PUNK ROCK JALANAN
Artist :  MELLANY ANGGORA PALAPA
Songwriter : RAFY KOMAR
Album : KOLEKSI PILIHAN DANGDUT OM PALAPA(現在も活動中のトップクラスのバンドPallapaと関係あるのか無いのか不明)

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