世界の果てでダンドゥット

ダンドゥットは今、現在が一番おもしろいぞ!

G20サミット2022 ウェルカム・ディナー;多様性の意図は伝わったか?

もう半年以上前の話で、誰も関心ないでしょうが。

LIVE: Welcoming Dinner and Cultural Performance G20 Indonesia, Bali, 15 November 2022 Sekretariat Presidenより。大統領秘書室の公式。

~42:00 あたりまで各国首脳が一組づつ到着。長い!

~45:00 やっと始まり、ジョコ大統領の挨拶

~1:07:00あたりまで、料理を食べているらしいが、近接カメラ無し

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1:08:00~ ショー始まり。MCは英語のみ。インドネシアの多様性を見せたいのでしょうが、結果的にどこにでもあるEDM~ニューエイジ系のサウンド。それプラス、ディズニー映画風のアニメ(言語は英語)。

G20サミットともなれば、さすがにリアルタイムのチャットは閉鎖されているけど、コメントは書き込みできる。「インドネシアは、イスラム教徒がマジョリティでありながら、ヒンドゥーの伝統を守っている。こういう寛大な精神をバングラデシュパキスタンも見習ってほしい」という、インド人のトンチンカンなコメントあり。いやね、バリ島のこういうヒンドゥー文化ってのは、外国人向けに造られた伝統なのだよ。

1:28:00~、ポップ・シンガーの歌が始まる。RDP Hip Hop Generationという3人組のラップで、"Malam Indah"、ジャカルタ出身のラッパーIwa Kの1999年のヒットらしい。インドネシア語と英語まぜて。他には体がデカい男がAndmesh Kamalengで東ヌサ・トゥンガラ州のアロル島出身。ケバい衣装の女性歌手がFaye Risakottaで、ジャカルタ出身らしい。黒い髪に花飾りの女性歌手がバリ島出身のCindy LIDA。

それで、このRDP Hip Hop Generationというグループ、なんと、東ヌサ・トゥングラ州の南中央ティモール県(Timor Tengah Selatan)というややこしい地名のSoeという所の出身だという。つまり独立した東チモールと同じ島にある県であります。一応googleストリートビューもある所。

つまり、企画側としては、「どうです。わがインドネシア共和国では、こんな辺境の地の子どもたちでも、共和国の国民として、こんなに元気に活動しているのであります」とアピールしたかったのでしょう。このラップのシーン、インドのモディ首相や中国の習近平が見ている様子がちらっと写ります。

「ふん、インドネシア人もアメリカかぶれか」と腹の中で思っているのでしょうか。「こんなシロートっぽい芸能しかないのか」と思っているのでしょうか。まあ、いずれにしても、〈多様性の中の統一〉ってメッセージは、あんまり届いたようには見えないけど。

ちなみに、ディナーの料理も、インドネシア各地の名産を集めたもので、〈多様性の中の統一〉をテーマにしている。ちゃんと、ベジタリアン用のメニューも用意しています(ベジタリアン向けは品数が減っているけど……)スマトラ島ランプン州産の和牛を西スマトラ風(ミナンカバウ族のパダン料理)のものがうまそう。インドのモディ首相が食べられないでしょうが。

それで、デザートがアチェ産のチョコレート・ムースなのだね。シャリーアに基づく条例を制定できる特別州アチェのチョコレート食べたあとは、南中央ティモール県の子どもたち(たぶんクリスチャン)のラップを聴くわけ。ほとんどの賓客は、意図を理解していないのじゃなかろうか。

1:39:00~各国首脳たちの歓談が写される。インドのモディ、やたらしゃべっているみたいだ。我が岸田首相の姿、写してくれません。アメリカのバイデンはディナーを欠席したようで、習近平とモディが中心という感じ。