Madu Merah; これぞ1990年代を代表するダンドゥット・サウンド

と、断言できるほどこの時期のダンドゥットを聴いているわけではないけれど。全国ネットのテレビとカセット・テープの黄金時代を代表するItje Trisnawatiの歌で、作詞作曲はこの時期のヒット・メイカーMuchtar B（その例はここ）。

この時期、ダンドゥットはインドネシア全域で聴かれるようになり、中間層/中流階層にも認められるジャンルになった……と分析されている。実際は「ダンドゥットなんて、田舎者のワンパターンンな下品な歌」というイメージが、ジャカルタあたりの都会では支配的であった。もっとも、そんなふうにけなす人たちにもダンドゥットのサウンドは届くようになったとも言える。

一方で、ダンドゥットは、ポップになり、元の泥臭いエネルギーを失い、大手メディアの支配下に成り下がったという否定的な意見も、日本の音楽批評の間で起こっていた時代でもある。

Madu Merah / Itje Trisnawati.(original Full)オヤジレコードより

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現在リバイバル中のカバーのギター・パートは、次の2010年のバージョンを参考にしているものが多い。グランジ系のサウンドとR&B風の発声で、聴く人によっては、よけいダサいと感じるかもしれない。Meggie Diazは東ジャワ州の南東寄りのジャンブル(Jember)生まれ。この歌だけ聞くと、ポップ～ロック系のジャンルの歌手に思えるが、ダンドゥット歌手として活動しているようだ。というより、何でも歌えるのがダンドゥット歌手でしょう。

MEGGIE DIAZ - MADU MERAH Maheswara Musik Recordsより10 May 2010

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