世界の果てでダンドゥット

ダンドゥットは今、現在が一番おもしろいぞ!

Novid Candra Nugrahaとは何者か?

ソングライターの素性を調べるのはほんとに苦労する。この人も、ちゃんと自分のYoutube Channel はあることはある。

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上のリンクをクリックすると、Hip Hop Dangdut'sというページが開く。いかにもパチもん臭い名前である。Youtubeには、ヒットした曲に歌詞をくっつけたビデオを作って小遣い稼ぎをしているものや、成りすまし、悪意はないけど迷惑なファンのページなどたくさんある。これもその種のインチキかと思ってしまうが、ちゃんとした本人の本物のチャネルであります。

大ヒットしたAku Cah Bakoh のインドネシア語バージョンを本人が出している。

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こんな感じのゆる~い鼻歌調で、ジャワ語のダンドゥットをたくさんカバーしている。ライブのビデオも少々あるが、プロとしてライブで稼いでいるようには見えない。もし、何も知らなかったら、しろうとの遊びだと思ってしまう。再生数も10万以下が多い。

現在大ヒット中のGedang Kluthuk、たぶん最初のバージョン

"Gedang Kluthuk Familia 2019" - -Waru Leaf Ft Famas03 これ、人物かグループか何者か不明-

Song Writer: Novid Candra Nugraha
Voc: Novid Candra Nugraha
Mixing: Novid C N
Mastering: Novid C N つまり全部、一人でやっているって訳か?

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次は2020年バージョン。このタイトルから判断すると、中部ジャワ州のクラテン県を拠点としているのだろうか?

"GEDANG KLUTHUK" HIP HOP DANGDUT VERSION | KLATEN 中部ジャワ州の県名 HIP HOP | JAVA HIP HOP 2020 | VIDEO LIRIK (こんなふうに歌詞を出しただけのビデオが多い)
50,639 views  31 Mar 2020

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次が新バージョン、これがTikTokでバズったようだ。

"Efek Gedang Kluthuk Sirah Mumet Mantuk Mantuk" Gedang Kluthuk Tanda Bahagia" | Waru Leaf これがユニット名だが、他に誰がいるのか何人のグループか不明

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Hip Hop Dangdutなんてキャッチコピーを使っているけれど、こんな感じの緩いコーラス、部分的コール&レスポンスって、ジャマイカの賛美歌調レゲエというかナイヤビンギ (Nyabinghi or Nyabingi)、たとえばRas Michael & The Sons Of Negusあたりに似ているなあ。

インドネシアに限らず、ミュージシャンやレコード会社のキャッチコピー/ジャンルが実態と違うってのは、よくあることで、それ自体とやかく言うことはない。

ただ、この人の場合、本人が勘違いしているとは思えないのだ。つまり、わざと、Hip Hop Dangdutなんてインチキ臭いコピーを使っているのじゃないだろうか。レゲエというキャッチコピーを使うと、例の「ジャー・ラスタファライ!」とか、ニューエイジ系気持ち悪さとか、陽気で楽しいレゲエ、という手垢にまみれたステレオタイプに括られそうなので、あえてインチキ臭さを選んだのかもしれない。

結論 この人はレゲエ・ミュージシャンである。

レゲエに限らず、ジャマイカ音楽全般において、アルバム単位で評価するのは間違っているのだが、以下のアルバムはわたしのジャマイカ産ベスト3に入る傑作だ。

Ras Michael & The Sons Of Negus - Rastafari - 1975 (Full)

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Recorded At – Dynamic Sounds Studios
Distributed By – Tuff Gong Music Ltd 1975