これもTikTokのバズりでリバイバル中だけど、オリジナルは次。
near - karna su sayang ft Dian Sorowea 146,155,773 views 25 Jul 2018
ソングライター兼ラッパーのNear(本名 Immanuel Andra)は東ヌサ・トゥンガラ州フローレス島マウメラ生まれ。即興的に作った歌を、当時16歳の高校生だった Dian Soroweaに歌わせてYoutubeにアップロード。ごらんのとおり、1億以上の再生数を獲得した。 "Google Year in Search 2018"のインドネシア楽曲部門で、初めてインドネシアの歌としてトップになったそうだ。(ってことは、それまで外国曲がもっぱら検索されていたってことかい)
2018年といえば、インドネシアでアジア競技大会が開催され、オープニング・セレモニーでVia Vallenが Meraih Bintangを歌ったことはみなさんご存知でしょう。いや、わたしは全然知らなかったけれど。現在でもダンドゥットのYoutube再生数1位のLagi syantik、SabyanのDeen Assalamなどを抑えての1位。まあ、よく知らないから検索するわけで、知ってたら検索しないよね。
東インドネシア、つまりヌサ・トゥンガラやマルクやパプアのミュージシャンがジャカルタ中心の音楽シーンで活躍するのは、ずっとずっと前からあった。しかし、みんなインドネシア語で歌を作り、出自を強調することはなかったようだ。
ところが、このNearの場合、歌詞にもマウメラの言語を使ったことで、この歌詞の意味はなんだ?と検索した人も多かったのだろう。まあ、インドネシア語が解れば、だいたいの意味は判るようですが。
Anugerah Musik Indonesia 2019という、インドネシア音楽全般にわたる賞では、Lagu Berbahasa Daerah Terbaik(地方語による歌のベスト)部門で大賞を獲得している。この部門は、ジャワ語圏やスンダ語圏の歌手を押し込めるための苦肉の策ではないかと、わたしは思っているのだけど。
歌を歌っているDian Soroweaについては以下の記事。インスタグラムはここ。フィラディルフィアのインドネシア・フェステバルとかニュー・ヨークのファッション・ウィークに出てるんだけど、多様性を代表するキャラとして重宝されているのでしょうか。もちろん、ボディも顔も、死語を使えば、海外でも通用するタイプでしょうけど。
地元フローレス島で開催されたASEANサミットのガラ・ディナーに出演しているのだ。Heppy Asmaraなど大物も参加。次のライブの20:00あたりから登場。やはり東ヌサ・トゥンガラのアロル県(小さい島です)出身のAndmesh Kamalengとデュエットなんだけど、1曲だけだよ~。アレンジはつまらん。
LIVE: Welcoming Dinner 42nd ASEAN Summit Indonesia, Labuan Bajo, 10 May 2023
さて、この歌のヒットに関しては続きがある。スカ/レゲエ・バンドのSKA86がダンドゥット歌手を入れて作ったバージョンも大ヒットした。現在TikTokでいろいろいじくったバージョンが上がっているけど、だいたい次のを参考に(もしくはリミックス)しているみたい。
KARNA SU SAYANG - ABIL SKA 86 Feat. NIKISUKA | Reggae SKA Version 57,699,436 views 21 Oct 2018 UYE tone - YouTubeより
ダンドゥット歌手によるカバーも山のようにあるが、紹介は別項で。