世界の果てでダンドゥット

ダンドゥットは今、現在が一番おもしろいぞ!

Denny Caknan新作LDR; こんなもんダンドゥットじゃねえ!?

と言うと、ジャンルにこだわるな!と文句が来そう。いや、ジャンルにこだわっているのではなく、現在のダンドゥット・シーンは様々な音楽と交差しているという話であります。これも立派にダンドゥットであります。正式タイトルは長いので、LDRと略されるようだ。

DENNY CAKNAN - "Langgeng Dayaning Rasa" LDR  
Premiered on 6 Apr 2024

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久々の自作曲だけど、メロディ自体はマンネリ気味だよね。そして、サウンドはプリセット済みのシンセ中心。ギターもベースも入っているようだが、ほとんど聞こえない。間奏がエレクトリック・ギターとサックスで、ジャズかR&B系の音作りだ。

次も同じくDC Production から、仲睦まじいコンビ。アレンジはやはりシンセ中心で、生楽器の音に近づけた音色だ。わたしの耳が悪いのか、前半はベースとギターの音はほとんど聞こえない。間奏はエレクトリック・ギターだけど。

SUREPMAN FEAT. RESTIANADE - "Langgeng Dayaning Rasa" LDR  363,270 views  Premiered on 28 May 2024

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ぜんぜん関係ないけど、Restianadeのソロ・バージョンの写真貼っておく。シンセ1台だけでクロンチョン物。リズム陣はプリセット済み音源だと思う。

話を元に戻して、もっと徹底しているのが次。全部DTMなのか、生楽器を使っているのか、わたしには判断できないが、打楽器類をまったく使わないオーケストレーション。アレンジは、ライブではおバカなことを演っているMufly Keyで、こういう管弦楽の技法って、どこから勉強するんだろう?

Sasya Arkhisna - LDR (Langgeng Dayaning Rasa)
178,564 views  Premiered on 27 May 2024

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ボーカルがいいのは、やはり、Rina Aditama。衣装や身振りに惑わされず、じっくり聴くと、この人ってR&B、USAのポップ・ボーカルの発声ができるのだ。バンドはオーソドックスなダンドゥット・バンド。

Rina Aditama - LDR (Langgeng Dayaning Rasa) 
71,650 views  Premiered on 27 May 2024 SANGKARA MUSIC OFFICIAL - YouTube

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そして最近多いのが、シンセ・ピアノだけのバック。シンセといっても、最近の機材(というより、サンプリング・データ?)は生ピアノとの違いがシロートには判断できないレベルであるらしい。Lala Atilaは、普段の仕事は上のような衣装を着て、結婚式の余興を演っている歌手。

LALA ATILA - LDR (Langgeng Dayaning Rasa) 4,248 views  Premiered on 27 May 2024

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それで、このミキシングとマスタリングやっている人が Hero Adityaって男なんだが、自身のYoutubeオフィシャルがHero Aditya - YouTube。自分がギターとボーカルを担当するバンドをやっているが、まあ、どうでもいい。

が、インスタグラムを見ると、この人の主な仕事はアレンジ、ミキシングとマスタリングらしいのだ。Niken Salindryとか有名ダンドゥット歌手のものから、デスメタル系まで、なんでもやっている。男の子が二人いるのだが、デスメタルゴシック・メタルのTシャツ着て、お父さんと遊んでいる。

ええと、つまり、ダンドゥット界のミュージシャンって、クラシック系の管弦楽技法とか、ジャズ~R&B系のアレンジとかを勉強しているのだ。この傾向が、ほんとに面白い成果につながるのは、もう少し先であるような気がするけど。

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LDR (Langgeng Dayaning Rasa)、さすがにカバーが多く、主要ダンドゥット歌手のほとんどがカバーしている。しかし!Happy Asmara、および同じマネージメントのDike Sabrina、Arlida Putriがカバーしていないのだ。やっぱりDennyとの因縁が尾を引いているのか?