世界の果てでダンドゥット

ダンドゥットは今、現在が一番おもしろいぞ!

オランダ総選挙; シオニストによる虐殺が続く中、理性と自由の国では

理性と啓蒙の国、自由貿易の国、人権擁護の国、ヨーロッパのオランダで総選挙が行われた。2023年11月22日、オランダ議会総選挙が投票・開票され、自由党(PVV)が第1党に。

BGMは、The Blue Diamonds - Ramona (1960)

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このデュオは兄弟でどちらもバタビア(現ジャカルタ)生まれ。1949年オランダへ移住。
Ruud de Wolff (12 May 1941 – 18 December 2000)
Riem de Wolff (15 April 1943 – 12 September 2017)
この曲"Ramona"はビルボードのホット100で72位獲得。なんだ、72位か、と思うなかれ。当時USA以外の曲がホット100に入るのは、大ヒットなのだ。あまり信頼できないウィキペディアによれば、ドイツでも100万枚売れたそうだ。やっぱり、移民がいないと、ポップ・ミュージックは活性化しないよなあ。

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さて、オランダ総選挙の話だ。移民制限・難民拒否・EU脱退・イスラム教排斥を訴える自由党議席数1位を獲得した。と言っても、150議席のうちの37議席なので、他の党と連立しないと組閣できない状況であるそうで、過激な主張をどこまで貫けるか注目されている。党首はウィルダースという男。以下BBCニュースより

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あなたは極右か、とたずねられ、彼は否定した。

"We are a country of consensus-building. We don't even have that many far-right people in our country; we never will," he told the BBC. "Indigenous people are being ignored because of the mass immigration... they feel mistreated."

「我々は話し合いによる合意に基づく国だ。我々の国には過激派など、言われるほど多くは存在しない。今後も存在しない。」とBBCに語った。「原住民はずっと無視されてきた、外国から押し寄せた者たちのせいで。彼ら(原住民)は虐待されていると感じている」

おお、いいこと言うじゃないか。78年前のオランダ人に聞かせてやりたいねえ。

そのGeert Wildersの家系が、100%信頼できないけれど、ウェブ上に散らばっている。母親がオランダ領東インド、つまり現在のインドネシア生まれであり、〈血筋〉としても原住民の〈血〉が混じっていると噂されている。そのため、「イスラム排斥を主張しているのにインドネシアの〈血〉が混じっている、キャハハ」という揶揄も散らばっている。

しかし、ポリティカリー・コレクトネスの立場からではなく、植民地主義バンザイの立場から見て、この人の血筋には何の問題もないでしょう。だって、当時のオランダ東インドは、オランダの真っ当な国土であり、そこに住むオランダ人は真っ当なオランダ王(女王だっけ?)臣民であり、孕ませた女が原住民であろうと、チャイニーズであろうと、ポルトガル人であろうと、パプア人であろうと、アラブ人であろうと……(以下略)な~んの問題もないのだ。オランダ人(白人)の旦那が孕ませて、オランダ人(白人)に扱われれば、オランダ人(白人)なのだから。

でも、きっと、本人はウジウジ気にしているのだ。内心気にしているけど〈全ての人間は平等であり、生まれや民族や血統で判断してはならない〉という人権宣言みたいな主張はできないよね。イスラムや外国人やアラブ人を排斥する党の党首なんだから。

なお、ウィルダースの母親の父親、つまり母方の祖父は真っ当な正真正銘のホンモノのオランダ人で、その配偶者(祖母)が原住民であったようだ。宗教や民族は判らんけど、ムスリムであった可能性は低いよね。当時の東インドには、チャイニーズやポルトガル人や日本人やインド人(南アジアから来た人たち)がいっぱいいたのだから。

ウィルダースは1963年オランダのリンブルグ(というカタカナ表記でよいか?)生まれ。幼少のころカトリックとして育てられたが、シオニズムに強く共感して、イスラエルを訪れている。オランダ東インドは、ナチスの支持層が多かったところで、シオニストに共感を覚えるのは、親の影響かもしれない(わたしの想像ですから、深く追求しないでね!)。シオニズムもナチズムも、まあ、同じような心性から由来するからね。

ナチズムを支持するオランダ東インドのオランダ人が、ナチスの同盟国である日本に追い出されるとは皮肉な歴史でありますね。

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日本軍に追い出されたオランダ人の子が前首相のマルク・ルッテ。父親が東インド会社の職員だった。第二次世界大戦中、夫婦はTjideng 収容所に入れられ、その間に妻は死亡した。じゃあ、マルク・ルッテはその前に生まれたかというと、もちろん、その後に再婚した妻の子。で、再婚相手は、死んだ奥さんの妹さんなんだって!(こういう結婚を、下品な表現でなんて言ったっけ?学術用語ではソロレート婚といいます)

下のビデオは、連合軍がバタビアジャカルタ)に到着し、行政権を移管した後のフィルムらしい。詳しい撮影データ不明。ずいぶん健康そうで、子どもたちもかわいいじゃないか。まあ、バタビアは戦場にはならなかったし、現地の人たちと収容者の間で、物々交換もあったそうだ。

Tjideng Kamp - tahun 1945

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次の写真は

Tjideng-Batavia:Japanese Concentration camp. – History of Sortsより。死刑判決を受ける収容所の責任者 曽根 健一 

https://dirkdeklein.files.wordpress.com/2016/10/sone-tribunal.jpg

The sentence was carried out by a Dutch firing squad in December of that year, after a request for pardon to the Dutch lieutenant governor-general, Hubertus van Mook, was rejected. Van Mook’s wife had been one of Sonei’s prisoners.

詳しい英語の情報は、Boudewyn van Oort - TJIDENG REUNIONを。

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もう一つ追加情報。今回の総選挙で第3位になってしまった中道右派VVDの党首Dilan Yesilgözという方は、トルコからの移民だそうだ。最初の女性首相を狙っていたのに、3位に陥落。

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もう1曲、Blue Diamondsを聴いて、平和な世界のありがたさを知ろう!

次の歌のソングライター、ニール・セダカ(今調べたらまだ御存命)はレバノンから移住したユダヤ教徒の子。この歌を贈ったキャロル・キング(まだ元気だ)は、ユダヤ教徒の両親からブルックリンで生まれる。

The Blue Diamonds - Oh! Carol (1960)

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